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2020.8.24

商売の真髄〜田原町商店街というところ〜

家業か事業か。と言う話の

延長で家業の名店が多い

「田原町商店街」について
書こうと思います。

 

色々と懐かしい田原町商店街の写真と

一緒にお楽しみ下さい。。。(^ ^)

 

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※写真はまさに戦後。70年前の田原町付近(何もない!)

 

「田原町商店街」は、
私が物心ついた時から、
ずっとお世話になっている町で、
まさに生まれ故郷なのですが、
ここには昔からの

名店と言われる
お店が何店もあります。

 

福井の商店街の中でも
色んな活動をしていて
最も活気のある商店街の一つです。

 

ホリタ文具は、
商売の性質上、
生き残るためにも、
商店街での商売をあきらめ、
外に出なければなりませんでした。

 

ちょうど2年前に
商店街での商売から

撤退をしました。

 

こればかりは時代の

流れには逆らえず、

3代目としてはとても

苦しい決断でしたが、
今でも仕方なかったと思っています。

 

何かを創っている。
という企業ではない
=独自商品を扱うというお店ではない
ですし、
近所の方々だけで成り立つような
小商圏モデルでもないので
郊外に駐車場を多く構え、
品ぞろえを豊富にする。
商圏をもう少し大きくとる。
という戦略を取ってきました。

 

そうすると自ずと、
色んな人が出入りするようになり
こちらも不特定多数で

対応することになります。

 

そうなると、家族で密着してやる

「家業」というのは通用せず、

不特定多数 対 不特定多数。
スタッフをたくさん採用・育成し
しっかりと活躍してもらい、
よりお客様を増やす。

 

そういう「事業」を
しなければならない。
という事情がありました。

 

私たちは家業から事業へ。を
進めましたが、
田原町商店街では、
「家業」で元気なお店が存在し、
それらのお店には、
選ばれ続ける
共通の理由があります。

 

家業とか事業かと言う前に

どの商売にも通じる

「商売の真髄」と言えるものです。

 

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※この写真はよく社内で出す創業当時の代表写真。

 

一つは、
「おいしい」「ものが良い」商品。

 

私の主観ですが、
パン屋さんの
カスクートはどこにもない

天下一品。

八百屋さんの
お惣菜はやみつきになる

おふくろの味。

弁当屋の
からあげ弁当は
日本一のからあげ弁当だと
勝手に私は思っています。

 

これらは、驚くほど、
遠くからも買いに来るのですが、
基本は、地元密着型です。

 

良く田原町商店街付近に
住んでいた人が、引っ越しても、
またわざわざお店に来る。

 

学生時代に利用していた人が、
そのまま大人になっても来る。
ということはよくある話です。

 

おいしいこと・ものが良いことが
話題を呼び、結果、
遠くからも来ているだけで、
基本は「超」地域密着型です。

 

値段ではなく、

そこには良いものが

たくさんある。のです。

 

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※25年ほど前の先人たち。

 

二つ目は、
「お店の顔」「人との温もり」です。

 

顔なじみの人がずっと
レジや売場にいて、
昔も今も変わらず、
「おう、としくん久しぶりやの!
忙しいんやろ。元気か!?」と
必ず、何らかの会話をします。

 

これは、コロナになって、

より商売の在り方が変化する中で、
家業にも事業にも関係なく、
最も大事なことです。

 

私たちも、
「タッチポイントを増やそう」
という格好いい言葉で
言っていますが、
まさに、この密着感、
パーソナライズ感、
そして、親近感こそが、
今のリアル店舗に
最も求められることです。

 

結局はそうなんですよね。
値段とかではないのです。

 

ですから、
時々こういうお店に行くと
勉強になることが沢山あります。

 

「良いものを
信頼する人から買う。」

 

これが商売の真髄。
だと気づかされます。

 

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※写真は1990年代。商店街でリニューアルしたとき。

これは私も覚えています。

 

 

なぜ、今回はこのようなテーマに
したかと言うと、
昔から田原町商店街の顔として、
活躍されていた、超有名店・
食品とお惣菜のお店「くりなみ」の

お父さんが
先々週、突然亡くなられました。

 

田原町商店街にとっては、
大事件で、町中で一気に
この訃報が流れ、
皆が悲しみに暮れました。

 

この話を投稿しようか迷いましたが、
小さい頃から
お世話になったものとして、
いち商店街の住民として、
少しでもこれからの
くりなみさんを応援できればと思い、
偉大な故人に敬意をこめて

書かせてもらいます。

 

お通夜は、
このコロナの中にも関わらず、
車の渋滞や人の行列で
大変な人でした。

 

そして、皆が、
残されたご家族の元に話をしにいく。

 

喪主の息子さんや奥さんの前を
会釈して素通りするわけでもなく、
皆が本当に悲しんで、
ご家族に寄り添おうとしている。
そういう風景が広がっていました。

 

どれだけ、くりなみさんが、
地域の方々、お客様、取引先と密接に
やっているか?
町の精神的支柱だったかが
すぐに分かりました。

 

人望だなと思います。

 

商売の真髄と、
人としての生き方のお手本を
背中で語っていただいた感じです。

 

「商売の基本を、初心を

忘れてはいけないよ」と言われている気分です。

 

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ふと、私の会社の机の後ろ、
誰かが取り付けたカレンダーに
目をやると、
「徳望」という文字。

 

その文字を見て真っ先に
その偉大な商売人が、
商店街の皆に囲まれて、
笑っている景色が
思い浮かびました。

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