2025.2.26
History of HORITA ② 商店街の2つの店舗と納品部
商店街の文具店が商売として忙しくなってくると
喜代子の夫である、利直(としなお)は、
勤めていた国鉄(現在のJR)を辞めて、
営業や経理を手伝い始め、初代社長となる。
利直は、非常に「厳格な人間」として、
取引先の中でも有名だった。
家では良くカッとなると「ちゃぶ台返し」するような
気性の粗い性格だったが、買う時は大量に買う・
買うと決めたら一切値切らないという豪快な性格。
情に熱く、頻繁に世話になっている
取引先担当者を家に招いて、もてなした。
そんな利直の「男気」や「気概」に触れて、
たくさんの取引先が利直の元を訪れた。
「お客様のために」という部分は特に厳しかった。
お客様のためになっていない緩んだ行動をすると、
烈火の如く従業員や取引先を叱りつけた。
学校と取引をするようになり、電話で注文があると、
お客さんが急ぎで困っていらっしゃるからと、
自転車で10キロ以上離れた学校にまで、
急いで鉛筆1本を持って行くという徹底ぶりだった。
こうした一つ一つのひたむきな姿勢が評判を呼び、
小中学校の先生が、次に異動した赴任先でも
注文してくれるようになり、
福井市中の学校から一気に注文が集まり、
配達部門を担う「納品部」が大忙しとなった。
そののち、文具と相性の良い本の取り扱いを始め、
道路の向かいに書店を開店し、学校の教科書販売も始めた。
堀田家は子供も含めて総出で、家業を手伝った。
卒業記念品や学童セットなど大量の注文が入ると、
夜中に全員で包装し、
近くの川が氾濫しそうになると
お店や倉庫の商品を夜通し2階に上げ、
人がいなければ、店番に立ち、閉店作業を手伝い、
夕飯の食卓では、毎日の売上を一喜一憂した。
堀田家全員が商売に関わって・
お店をきり盛りをしていったのだった。
【History of HORITA ③】 に続く